セラフタイムズ2024年5月号
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30全日本動物専門教育協会 今年は年始から大きな地震や航空機事故など、衝撃的な事柄が続きました。被災地では2か月たった今も避難生活が続いています。 これまでも、日本は幾度と大きな地震や津波の被害を受けてきました。例えば1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災。この地震は、新設された震度7が初めて適用された地震であり、その後震度7が観測された地震は、2004年の新潟県中越地震、2011年の東北地方太平洋沖地震、2016年の熊本地震、2018年の北海道胆振東部地震、そして今年2024年の能登半島地震となっており、2000年に入ってから震度7の地震が各地で起きていることがわかります。 それに伴い、私たちの防災意識も変わってきています。特に、ペットを飼われている飼い主の防災意識は以前よりも高まってきています。ペットと共に避難生活を送るためのグッズを揃えおおの こうじ大野 公嗣一般社団法人専務理事一般社団法人 全日本動物専門教育協会では専務理事を務め、教育の観点から人と動物が共生できる社会づくりに貢献。海外を舞台に活躍した経験を持ち、海外から日本を見たからこそわかる日本の良さを活かしたペット共生社会の実現を目指す。たり、防災訓練に参加してみたり、避難生活に備えてクレートに入る練習やトイレトレーニングに力を入れている飼い主もいらっしゃることでしょう。 しかし、今回の能登半島地震は、また別の側面を知る機会となりました。それは、地域に根差したペット防災の必要性です。例えば、自分が住んでいる地域が孤立しやすいのであれば、多めに食料や飲料水、ペット用品などを備えておく必要がありますし、建物への被害が想定される場合には、1階より2階をメインに過ごせるような環境づくりをした方が万が一の備えとなるでしょう。住んでいる土地や建物を理解することも、ペット防災の1つの側面です。ハザードマップはもちろんのこと、その土地の古くからの伝承や、住んでいる建物の構造がどのような災害に強く、どのような災害に弱いのかを知ることも、ペット防災につながる大切なことなのかもしれません。Column「知る」ことが命を守ることにつながる

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