シーリング工事には主に9つの作業工程があります。スムーズかつ工期内で工事を進めるためにも、工事工程について事前に把握しておくことが重要です。シーリング工事を行う際、まず現在の劣化状況を把握します。シーリングが劣化すると、外壁との間に隙間ができ、コーキング材の真ん中から破断したり、コーキング材からバックアップ材※や下地が見えたりするなどの症状が起こります。状況によって工事内容が変わる場合もあるので、劣化状況の適切な把握が重要です。またシーリングはウレタンコーキングや変成シリコーンなど種類も様々なため、以前のシーリング工事で使用した素材も確認します。事 カッターなどで古くなった既存のコーキング材の撤去を行います。壁を傷つけないよう切れ目を入れて、かつきれいな仕上がりを目指すために古いコーキング材が残らないようにするなど、注意が必要な作業です。次に撤去した目地の部分をきれいに清掃します。埃やゴミ、撤去カスなどが付着している場合があるので、全ての目地をチェックしながら掃除します。ムービングと呼ばれる建物のゆがみに順応できるようにするため、コーキング材を充填する※バックアップ材:シーリング材の適切な厚みと形状を保持するスポンジのこと。ボンドブレーカー:シーリングが接着しないように貼るマスキングテープのようなもの。際はバックアップ材やボンドブレーカー※などが使用されます。バックアップ材にはコーキング材を充填する目地の深さを調整して、3面接着を防ぐという役割があります。3面接着とはコーキングと目地と外壁の3面で接着させることですが、シーリング工事ではコーキング材の切断を防ぐために、外壁との2面だけで接着させるのが一般的です。目地を接着させないために、コーキング材との間にバックアップ材を入れます。継ぎ目が浅くバックアップ材を入れるのが難しいときはボンドブレーカーを使用します。9つの作業工程を把握①劣化状況の確認②コーキング材の撤去③目地の清掃④各資材の取り付け9つの作業工程を把握してスムーズな工事を18大規模修繕工事を支える技術Vol.3シーリング工
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