「マンションはどれくらい長持ちするのだろうか?」「築何年まで住めるのだろうか?」など、マンションの寿命について不安を感じる人も多いのではないでしょうか。 会計上は建物の資産価値がゼロになるまで(減価償却)の年数が47年でマンションの寿命とは全く異なります。実際の寿命と法定耐用年数は異なるため、新築から47年以上経過したマンションは実際に多くあり管理状態によって寿命を大きく伸ばすことも可能です。 国土交通省によると、日本のマンション総戸数(ストック数)は、2022年末時点で約694.3万戸。このうち125.7万戸は築40年以上です。20年後には築40年以上のマンションが445万戸と激増します。 マンションの終活とも言えるマンション再生について考えた事があるでマンション管理士まつもと ひろし松本 洋松本マンション管理士事務所 代表マンション管理の専門家として理事会・総会への出席や、マンションの維持・管理に関する提案や指導を行っている。著書に『マンションの老いるショック!』などがある。しょうか。 旧耐震基準で建設されたマンションが現在、約13万戸ありますが、建替えの実績はわずか270件と極めて少ない数字です。築年数が古いマンションは、建築当初には適法だったものの、現行の建築基準に合致しなくなった建物、いわゆる「既存不適格」のため現在の建築基準法による同じ規模で再建築ができないこともあります。それに加えて、建替えは合意形成が難しく容易ではないようです。 マンションが老朽化したら建替えればいいから修繕はなるべくしないという事を最近お聞きします。しかし、本当に建替えができるマンションなのか、長寿命化を選択すべきマンションなのか、自分たちのマンションの条件を知った上で管理方針を決める事が大切です。 24Columnマンションの終活
元のページ ../index.html#24