セラフタイムズ2024年9月号
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全日本動物専門教育協会 梅雨時期から台風シーズンが終わるまでの間、毎年のように各地で水害や土砂災害が起きている近年。皆さんの水害や土砂災害への意識も自然と高まってくるのではないでしょうか。実際、立て続けに起こる自然災害に、国民の防災意識は高まってきていると思われますが、ペットを飼っている世帯の意識はどうでしょうか。 ペット飼養世帯への調査によると、「自宅から最寄りの避難場所がペットを連れて避難できるかどうか」を知っている飼い主は全体の25%ほどだそうです。また、「災害時ペットは飼い主との『同行避難』が原則とされていることを知っているか」という問いに対しては、「知っている」と回答した飼い主は全体の19%に留まり、特に猫の飼い主で「知らない」と回答した割合が高く、8割近くにのぼるそうです。猫は環境の変化に敏感であることや、完全室内飼育が推奨されている背おおの こうじ大野 公嗣一般社団法人33専務理事一般社団法人 全日本動物専門教育協会では専務理事を務め、教育の観点から人と動物が共生できる社会づくりに貢献。海外を舞台に活躍した経験を持ち、海外から日本を見たからこそわかる日本の良さを活かしたペット共生社会の実現を目指す。景から、在宅避難を選ぶ割合が高いと考えられているものの、それは在宅避難が可能だった場合です。いずれにせよ、この調査結果を見る限りでは、ペットを飼っている世帯の防災意識にはまだまだ改善の余地がありそうです。 一緒に避難するにせよ、在宅での避難生活をするにせよ、まずはペット防災を正しく知ることから始めなければ何にもなりません。知ることで、準備するものも変わってくるでしょうし、日頃の過ごし方にも変化が表れてくるかもしれません。 人もペットも安心安全に暮らせる社会に向け活動する私たちは、正しい情報、求められている情報が、本当に欲しがっている人の元へ届くように、そして、「知らない」という飼い主がゼロになるように、様々な方法でペット防災の大切さを伝え続けていきたいと思います。Columnペット防災を  伝え続ける理由

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