セラフタイムズ2024年9月号
35/60

 愛犬との散歩で最も大切なことは、一体なんだと思いますか?私が散歩で何よりも大切だと思うことは「飼い主さんも犬と一緒に楽しむ」です。毎日行わなければならず、時におっくうに感じてしまうことがあるかもしれませんが、散歩は「連れて行ってあげるもの」ではなく「一緒に行くもの」。犬にとっての散歩は、飼い主さんと一緒だからこそ、毎日うれしくて、ワクワクする毎日のイベントであることを忘れず、愛犬との生活を楽しんでほしいと思います。 ここ10数年ほど、毎年のように暑くて長い夏が続いていますが、犬は暑さに弱い生き物ですので、熱中症のリスクは侮れません。夏場の散歩で特に気をつけていただきたいことは、なにより飼い主さんが無理をし過ぎないこと。お互いにとって過度な負担にならない程度の散歩の回数、時間、場所と帰宅後のケアを設定することです。特東京農業大学教授(動物行動学)ますだ こうじ増田 宏司35雑誌「いぬのきもち」での解説コメントを担当しており、「犬の幸せ 私の幸せ」や「このくらいはわかって! ワンコの言い分」など著書も多数。動物行動学の研究を通し、飼い主と愛犬の双方が幸せに暮らせる社会を目指している。に散歩の回数ですが、熱中症のリスクを高めてしまうくらいなら、散歩の回数を多少減らしても問題はありません。時間帯は、早朝、夜など涼しい時間帯を選ぶと良いですが、夜は道路表面の温度が十分に下がっていないことが多いため、人間よりもはるかに道路に近い位置を歩いている犬には体感的に暑く、そして足の裏は熱く感じるでしょう。夜であっても出来ればアスファルトではなく土の地面がある場所を選んで散歩していただくことをお勧めします。水やひんやりするグッズなども大いに活用して、無理のない程度の距離と時間の散歩をしてください。帰宅後に涼しい部屋でクールダウンすることも忘れずに。 くれぐれも無理をし過ぎない工夫で、快適な夏場の散歩を心がけていただきたいと思います。Column夏場に気をつけたい 愛犬との散歩

元のページ  ../index.html#35

このブックを見る