盲導犬と私 マンション大規模修繕工事会社

24/10/28

マンション管理組合の皆様には平素からご厚情を頂き厚くお礼申し上げます。

 

お陰様で弊社の業績は順調でございます。弊社の売上高の90%以上が分譲マンションの大規模修繕工事でございます。大規模修繕工事は皆様が永年お積になられました修繕積立金を使っての工事であります。その工事で、頂いたお金が工事費として協力会社に支払われ、材料費として材料卸会社に支払われ、弊社の運転資金となり、私や社員の給料となっています。皆様のマンションの大規模修繕工事を施工させて頂いている「ありがたさ」を十分に感じております。今後もどうぞ宜しくお願いいたします。

 

さて今回は盲導犬と私と題した文章を記載させて頂きます。

 

 盲導犬

 

始まりは平成9年に川口市内の視覚障害者福祉協会の小巻会長からご教授を受けたことからでした。

30歳の私はそこで初めて盲導犬と長い時間、同じ空間にいました。

話は盲導犬の現状、点字ブロックの上に置いてある駅前の不法駐輪の撲滅、ボランティアの育成、音声付信号・点字の普及についてでした。

もともと、ノーマライゼーションの理念による街づくりや人づくりに興味を持っていたので、小巻会長のお話は、とても刺激的なものとなりました。以降不定期ではございましたがお話を聞く機会に恵まれ、そこにはいつも盲導犬がいました。

 

点字ブロックの上に置いてある駅前の不法駐輪の撲滅は、日々の撤去活動の他に、学校教育による道徳心が必要と考えた私は、このことを実践してもらうために努力を重ねました。

 

ボランティアの皆様にもとても良くしてもらい、読み聞かせのボランティアの皆様や点訳のボランティアの皆様には様々なことを教えていただきました。

 

点字本については、点訳あいの会、紙谷会長にお世話になりました。

紙谷会長に人気アニメキャラクターの本を点訳してもらい、毎年クリスマスに、特別支援学校(盲学校)に持参しておりました。

学校にある点字本は人気アニメキャラクターの点字本が極端に少なく、日本昔話や推理小説などがほとんどでした。

私が持参する点字本は、視覚に障害を持つ子供たちにとても喜ばれていました。その喜びようは文章では表現できないくらいのもので、「クリスマスプレゼントだ!」と、子供たちが大勢集まってきました。

「はいどうぞ」と点字本を渡すと、「ありがとう」「ありがとう」と言いながら、本を手にしてすぐに指をあて、嬉しそうに読んでいる子供たちを見ていると、健常者の子供も障害を持つ子供も、大好きな人気キャラクターは同じように好きなんだなと、その様子を見て感じていました。自身の小さな幸せを見つけた瞬間でもありました。

 

子供たちの笑顔を見に、毎年点字本を持参することが楽しみになっていた私でしたが、あるとき学校に本を持参することができなくなってしまいました。あのときアニメキャラクターのピンバッチを触りながら「これはポケモンのサンダーと言うんだよ」とキャラクターの名前を教えてくれた全盲の小学生であったHくんや、Hくんの同級生であった子供たちは、今どのような生活を送っているのでしょうか。

あれから数年が経過し、再び障害者福祉について色々展開をするようになり、30代で成しえなかった盲導犬育成のための寄付に力を入れるようになりました。微力ながら、視覚に障害を持つ方々や盲導犬に幸せになってもらいたいと思っております。

 

弊社におきましては脳に障害を持つ社員が在籍しております。様々なハンデを乗り越えて頑張っている姿を見るととても嬉しく思います。先日、弊社恒例である全社員対象の個人面談を行った際にも「頑張ります」と話を聞いて嬉しく思いました。今後も暖かい目で見守っていきます。

 

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令和6年10月28日

株式会社セラフ榎本

代表取締役 榎本修